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ご近所付き合いは苦手です。
どのくらいの距離感で接したらいいのかいまいちわからないし、うちは長屋で9棟くらい連なっていてお婆ちゃんがけっこう住んでいますが、往来にはたくさんのお婆ちゃんが歩いているわけで、どのお婆ちゃんがご近所さんなのかいまいち判別がつきません。ダミーのお婆ちゃんもいるわけです。ダミーのお婆ちゃんはたいがい銭湯に行くお婆ちゃんです。うちのまわりには銭湯が多い。
ただダミーのお婆ちゃんに挨拶したっていいわけで、ていうかダミーのお婆ちゃんてなんだ、自分で言ったんだけど、お婆ちゃんにダミーとかないので、「うちの前を通るすべてのお婆ちゃんに挨拶をする」、これ正解です。愛をこめて。
ボン大の野は、打ち間違えた、すいません、問題なのは、一応知ってて挨拶を交わすご近所さんで、これ距離感がよくわからない。挨拶のあとにもう一言くらい付け加えたほうがいいのか?軽くチープトークを交わしたほうがいいのか?非常に迷うわけで、いやしたほうがいいと思ってるんですが、これがどうもうまくいかず、微妙な空気なります。
なので、あんまりご近所さんに顔を合わせたくないな・・と思ってしまったりして、このような気持ちがよりチープトークを困難にします。
今日出かけるとき原付に乗ろうとしたら、エンジンがかからなくて、こういうときは10メートルくらい原付を押してやって、もう一度試すとかかったりするので、原付を押して歩いていたら、うちのおとなりは整体屋さんなのですが、そこのご主人が向こうから歩いてきたので、「こんにちは」と挨拶をしました。東南アジア系の人のような濃い顔をしたそのご主人は、ちょっと戸惑った反応をしてそのあと「あ、どうも」と言ってすれ違っていきましたが、それは僕がヘルメットをかぶっていてさらに最近風邪気味のためマスクをしていたため、誰だか一瞬わからなかった(あるいはわからないままだった)からだと思われます。
するとその直後に、去ったはずのご主人が僕のほうにすごい勢いで走り寄ってきて(僕にはいのししのように見えた、そのくらいの勢いを感じた)、
「エンジンかかりにくいの?!俺バイク好きだからさ!」
と言った。その発言は若干意味がわからない、文と文がつながっていない、と思ったけど、「俺バイク好きだからさ!(よかったら力になるよ?)」ってことだろうから実はつながっている。僕はこの人がバイク好きだということは実は知っていて、それは前にもバイクのエンジンがかからないとき助けてもらったことがあるからで、そのときもこの人は「こうやってみるとかかりやすいよ!俺バイク好きだからさ!」と言っていたたしか。本当にバイクが好きなんだろうなあと思う。
「エンジンかかりにくいの?俺バイク好きだからさ!」
「いや、最近かかりにくいんですよね~」
そう言って、僕は原付を停めてキックペダルを踏み下ろしてみると、ブオオーンという音がして、エンジンはかかった。
「あ、かかりました」
わざわざ走り寄ってきてくれたのに、ふつうにエンジンがかかってしまったことに僕は若干の後ろめたさを感じた。すると突如ご主人はグッと口をつぐんで難しい顔をして、
「(バイクに向かって)パワー注入!!」
と、それはもうコミカルなジェスチャーとともにそう言ったあと、
「・・て遅いか!」
と言った。
そんなご主人(東南アジア系の顔をした関西人)のおちゃめなジョークに対して、僕は、一瞬本気で動揺した後、笑いながら「ほんとすいません、ありがとうございます」と言って原付に乗ってその場を去りました。
原付に乗りながら、もっとあったんじゃないのか、なにかしらツッコめたんじゃないのか、なんでもいい、「いやいや、もうエンジンかかってますから~」とかでいい、できればご主人に「・・・て遅いか!」と言わせてしまう前に、「遅いやん!」「遅いがな!」とか、いけたんじゃないのか、いやそれはいけないか、と反省したけど、挨拶以上のコミュニケーションをしたことがちょっと嬉しくもあって、だからこれはご近所付き合いがうまくいったほうの例といえます。はい。僕は何もしてませんけど。
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■次回公演■
わっしょいハウス
「スポット」
2014年7月29日(火)~8月3日(日)
@北品川フリースペース楽間
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